ささいなことでも
時々ものすごく不安になったり、自己嫌悪に陥る
そういう事って、結構ありませんか?



心配性
He is a natural worrier.


丁度、上司から鋭い指摘を受けて、へこんでいる時だった。
屋上で少々ふてくされて煙草を吸っていた所に「彼」から電話がかかってきた。
携帯のディスプレイに出ている名前
それは今夜会うはずの相手であり、さらに言うと恋人でもあった。

こういう気分の時に出るのを多少億劫に感じながら、通話ボタンを押す。


「もしもし、どうした?」


相手の声は聞き取りづらかった。


「え?何?」


『ごめん。今日体調悪くて。家で休みたいんだけど・・・今日の予定キャンセルできない?』


「あーそうなんだ。熱とかある?」


あからさまに残念そうな声が出てしまった。


「いや、体温計ないからわかんねぇ。いちお、薬飲んどいたけど。」


「わかったわ。お大事に。」


なぜだか棒読み。
久しぶりに会える今日を何日も前から楽しみにしていたものだから、がっかりした声を出さないようにと喉に力をこめた結果だった。


「なんだよ。何キレてんの?」


「いや、別にキレてないって。ちゃんとあったかくしろよ。」


「ごめんな。埋め合わせ、必ずするから。」


そう言ってあっけなく電話は途切れた。

途端に
複雑な心境に見舞われた。

楽しみだったものを取り上げられたかのような、喪失感。
ただ会えないというだけでこんなにもがっかりしてしまうなんて、よっぽど惚れてる証拠だ。

それとは別に、もっと相手をいたわる言葉をかけてはやれなかったのかという後悔も同居していた。
丁度イライラしていた、なんていい訳できない。
体が弱っている時に、きっと相手も悪いと思っているに違いないのに、冷たくした。

あーっ。もうどうして俺ってば。こんな冷たいんだ?


そこに残ったのは後悔。


後悔を悟った俺は会社が終わると同時に、体温計とレトルトのおかゆパックととりあえずいろいろ買いに走るのであった。


俺、こんな押しかけるようなマネして嫌われねぇかなぁ?
なんて走っている最中もいろいろと考えながら。


結論。


俺は心配性なのだ。


ことに、彼のことに関しては。




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