07
しあわせは どこに あると おもう?
さがしに いかないと みつからない
パソコンに入力する作業を一段落させると、時計の針はもう20時をさしていた。
今日やらなければならない仕事はデータの入力や文書の作成といったデスクワークが中心だったので随分と体中が痛い。
俺ももういい年してるってことだろうか。
そろそろ帰ろうと思って重い腰を上げると、胸のポケットの中で振動を感じた。
携帯が鳴っている。
俺がそれを手に取り、外側の小さい画面を見るとやはり思ったとおりの事柄が書かれていた。
『 着信中
天野 雅人 』
通話ボタンを押し、すぐに電話に出た。
「もしもし。」
『お疲れ。仕事もう終わった?』
「ん。今だいぶ片付いて、帰ろうと思ってた所。」
『ちょうど良かった。僕も今日はもう帰りで、今ちょうど要さんの会社の近く通ってるとこなんだけど。一緒に帰る?』
「いいよ。んじゃ今から下降りるから。」
そう言って俺は電話を切った。
天野先生と付き合い始めてから2週間あまりがたった。
忙しい中、時々お互いの家で過ごしたりしていた。
先生はかなりマメに連絡をとってくれるのでそれに俺も必死に応えようとしていた。
先生は俺のことを「要さん」と呼ぶ。
俺も先生のことを「雅人」と呼ぶ。
すっかり恋人同士になったみたいだ。
優しくされて、セックスして、二人で随分甘い時間を過ごしている。
こんな満たされているはずの生活の中、どこか満たされない部分を感じながらそれでも幸せなんだと思ってた。
一方的に与えられる幸せが、本当の幸せのように錯覚を起こしていたのかもしれない。
会社を出るとすぐそこに先生の車が止まっていた。
俺は慣れた感じで助手席に乗り込んだ。
「ごめん、わざわざ迎えに来てもらっちゃって。」
「いいよ、別に。早く要さんの顔見たかったし。」
「よくそういう恥ずかしいセリフが言えるな。」
「仕方がないでしょう。本当の事なんだから。それより今日どうします?僕の家?要さんの家?それともどっかでゴハン食べてく?」
「雅人は?明日仕事は?」
「朝から。」
「そっか。じゃあ。雅人んちに行こう。病院に近いほうがいいだろう?」
「いいですよ。その分じっくり楽しめる。」
「なっ、何をだよ!?」
俺はそのセリフに思いっきり赤面してしまった。
「何を想像してるんです?別にナニをなんて言ってないですよ。」
「俺をからかうな!」
自分で言って恥ずかしくなった。これじゃあ俺がまるでもの欲しいみたいじゃないか。
それにしても付き合って気付いたことだったが、先生は結構サドっ気があるかもしれない。
こんな風に俺をからかうことがだんだん楽しみになってきているみたいだ。
まぁ、そんなことを言っても結局はエッチすることになるんだけど。
「あ・・・ヤダ。そこ・・・ふ・・ん」
先生の家でゴハンを食べた後、一緒にお風呂に入ろうって言われて身体を洗ってもらっていた。
彼の手はだんだんいやらしやを含む手つきになってきて。
石鹸をたっぷりつけた手のひらで敏感な部分をたくさん弄られていた。
「ホラ、要さんの乳首こんなに立ってる。感じてるんだね。」
俺の乳首を弄る先生の手が先の方をつまんでグリグリと刺激を与える。
そして中指でコリコリとこすられるだけで俺はずいぶんと感じて来ていた。
バスルームの中は蒸気で蒸していて、よけいに身体が火照る。
先生のもう片方の手が俺の前に下がる。
やんわりとすでに固く勃起し始めているそれを握る。
「ああっ・・。」
もう一方の手は乳首から手を離し、後ろの入り口へとのびて行った。
割れ目の中に存在する男を受け入れる門。
その固く閉ざされた扉を開くように、石鹸でぬるぬるしている先生の指が侵入を開始してきた。
「あっあっ・・・ふ・・・ん・・はぁっ」
「じっくり洗っておかないとね。」
前と後ろに同時に与えられる快感に俺の中の何かが壊れていた。
もう快楽しか見えない。
後ろに刺さった指が2本に増やされ、さらに最奥にある俺の一番感じやすいスポットを引っ掻いた。
「ひゃっ!あん・・・あ・・・いやぁ・・。はぁ・・・はぁ・・・雅人ぉ・・・!」
「ねぇ、要さん。僕のこと前みたいに先生って呼んでよ。」
「は・・・ん。な・・んで?」
「なんかこういうシュチュエーションでそう呼ばれたらそそられるじゃない。」
「こ・・んの、変態!」 前に加えられる摩擦にもだんだんと速度を加速させる。
「ホラ、呼んでみてよ。」
「あっ・・・はぁ・・・先生・・・う・・ん。やだぁ・・やめろ!・・・はぁ・・あ。そんなにしたら・・・・」
「そんなにしたら、何?」
「・・・でちゃう・・・だろぉ・・・。」
そんな俺の願いに反するように先生の両手の動きはさらに加速した。
「いいよ。出しちゃって。後でモタなくなるから。イク時の顔見せてよ。」
「いやぁ・・」
「ホラ・・・出して下さい。要さん。」
前を扱く手が最高に早くなる。同時に俺の奥に指を突き立てた。
「あっあっ・・・はああ・・・先生、ダメ・・・・あああーーーーっ!」
それからちゃんとベットに移動して、何回も抱かれた。
テクもそうだがこの先生の言葉の攻めはすさまじいものがある。
何度もイカされて、気だるさが体中を支配していた。
「要さんてほんとにエッチな身体してるよね。」
「そっくりそのままその言葉をお返しするよ。」
「僕のこと先生って呼んで何度もイったくせに。」
「雅人がそう呼ばせたんだろうが!」
「いやぁ、良かったなぁ。ああいうの。」
俺の中での先生のイメージが音をたてて崩れていく。
穏やかで、ストイックなイメージがあったのに。
人は見かけによらないっていうのはまさにこのことだ。
先生と一緒にいればだいぶ気持ちも紛れる。
この人は俺が何もしなくてもたくさんのものを与えてくれるから。
俺は今一人じゃない。
でもたまにふいに寂しくなることにも気付いていた。
隣に温もりはあるのに、時折冷たい風が走る。
こんなに愛されて寂しいわけがないのに。
やっぱり啓太が側にいないからなのだろうか。
しかし、いずれ時がたてばきっと先生のことを好きになる。好きにならないと。
幸せと寂しさを同時に抱えながら、俺は先生の胸の中で眠りに落ちた。
しあわせって なんだろう?
いまここにあるのが しあわせだって おもっても いいのかな
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