「あれ?どうしたの?」 ナオキさんはリビングでパソコンに向かい合いながら仕事をしていた。 「忘れ物でもしたのかい?」 僕は無言で近寄ると後ろからナオキさんを抱きしめた。 感じるぬくもりにほっと安堵する。 家を出た僕に行ける場所なんて一つしかなかった。 戻れるはずはない。 絶対に言ってはいけない想いを打ち明けてしまったのだから。 それなのに妙に落ち着いている自分が不思議で仕方なかった。 頭の中ではハッキリとこれで完璧に隆平さんに嫌われたことを自覚していた。 もしかしたら姉さんに話が伝わってしまうかもしれない。 そうしたらきっと姉さんは自分の夫にそういうことをされた怒りを感じるだろう。 そしてそれ以上にそういう弟がいることを何て思うだろうか? そう思うと二度とあの二人の前に顔を出すことがはばかられた。 この先のことなんてわからない。 けれど初恋の相手と最愛の姉を失ってしまったという事実は。 そして、居場所を求めて僕が行く場所は一つしかなくて。 来慣れたマンションへと足が自然に向いていたのだった。 「しばらく僕を置いてくれる?」 ナオキさんの背中に顔をうずめて言った。 「いつでも好きな時においでって言ってあるじゃないか。」 「うん。そうなんだけど・・・ずっといたらだめかな?」 このお願いは今までの関係を変えてしまうことになるかもしれない。 「それって家出ってこと?」 コクンと頷く。 「いいよ。好きなだけいなさい。」 その答えに安心した。 もし拒否されたら行く場所がなかったから・・・。 ほっとしたと同時に今まで止まっていた涙が再び溢れ出した。 どうして涙がでるのかわからない。けれど止まらない。 いいようもない喪失感が胸を支配する。 大切なものを失ってこころの中に大きな空洞ができたみたいだ。 そんな僕をナオキさんはただただ優しく抱きしめてくれた。 大きな手のひらで髪をなでてもらう。 ナオキさんの手は隆平さんの手より少しばかり大きいような気がした。 不思議と気持ちが鎮まっていく。 「どうしてって聞かないの?」 「聞いて欲しいの?」 僕は無言で首を振った。 ただ、誰かにそばに居て欲しかった。 そして、生まれて初めて自分から人を求めた。 「抱いてくれる?」 ナオキさんが一瞬驚いたようだったが快く僕を受け入れてくれた。 「いいよ。ベッドに行こう。」 ナオキさんは軽々と僕を持ち上げて寝室へと連れて行ってくれた。 やさしくシーツの上に僕を降ろす。 かすかにスプリングが弾んだ。 覆い被さるような体勢からナオキさんが僕を覗き込むと、視線が交錯した。 よほど僕が泣きそうな目をしていたのか、ナオキさんはやさしく微笑むと唇にキスを落そうとした。 しかしその時僕の頭の中で映像がフラッシュバックする。 最後のキスをくれた隆平さんとナオキさんが重なった。 僕はとっさに近づいてくる体を手で押しのけた。 「ご・・・ごめんなさい。今日はキスだけはしないで。お願いだから・・・」 もう少し最後のキスの感触を残しておきたかった。 そんな僕の言葉を聞いて、ナオキさんの唇は僕の首筋に落ちていった。 チロチロと舌が首筋を這う。 敏感になっていた僕はこんな少しの刺激でも感じてしまった。 「あ・・・。」 ナオキさんの腰を掴んでいた手をさらにぎゅっと握り締めた。 這っていた下はだんだんと下降し、いつの間にか脱がされていた上半身の左側の突起にたどりついた。 「あん・・!」 「淳ってさ、左利きだろ。」 「なんで・・・わかるの?」 「左利きの人って左側が感じやすいんだって。淳、こっちの方触られるの好きだろう?」 そう言って左の乳首を甘くかむ。 「はぁ・・ん」 「ほら・・・ね。」 無性にもっと触れ合いたくて、僕の方から手を伸ばしてナオキさんのボタンダウンシャツのボタンを外していく。 あらわになった胸板にそっと口づけた。 「どうしてくれるの?」 「えっ?」 一瞬ナオキさんが何を言っているのか分からなかった。 しかし彼が何を言おうとしていたのかはすぐわかった。 僕に乗っているナオキさんのオトコの部分が熱く、重量を増している。 「あっ。」 「淳が誘うからだよ。」 「ご・・・めんなさい。」 気付けば僕のもだいぶ張り詰めてきていて、ズボンの中で窮屈そうにしていた。 重なったお互いを腰を振って擦り付けると甘い痺れが体中を駆け巡った。 「あ・・・ん。あっあっ・・。」 「はぁ・・・はぁ・・・」 いつもは決してペースを崩さないナオキさんが甘い吐息をもらしていた。 そんな声を聞いて、僕の中ではナオキさんを気持ちよくさせてあげたいっていう願望が生まれた。 突然ナオキさんズボンのチャックを下ろしてトランクス越しに触れる。 あったかくて大きくて、僕の手が触れる度にびくびくしてる。 それをおそるおそる握って軽くしごいてみる。 「つぅ・・・!」 急にぐんと大きさが増す。 ドクドクと脈うつ様子がわかった。 僕は勇気を振り絞って体勢を変え、ナオキさんの上に乗っかった。 そしてズボンのファスナーから引きずり出したそれを口に含んだ。 初めて口にしたものはすごく大きくて、口をいっぱいにあけた。 しばらくすると先端から苦いものがじわじわとあふれてきた。 初めての味に一瞬むせそうになりがらも必死に舌を這わせて奉仕する。 「あぁ・・・イイよ。すっげーうまい。」 やさしく髪をなでられる。 僕はすっごくうれしくなってさらに舌の動きを速めた。 ナオキさんは髪をなでていないほうの手を僕の背中からズボンに入れ、下着の上から秘部をさわった。 すっかり慣れきっている僕のそこはそれだけで軽く収縮を始める。 ナオキさんは一気に僕のズボンと下着を脱がせるとあらわになった双丘を押しやって目的の場所へと向かった。 周りを優しくなでると早速指の進入を開始した。 「はぁっ・・・うぐ・・・ぐ」 ナオキさんを咥えながらもその感覚に侵食された体は出口を求めて彷徨う。 僕の中に入り込んだ指はすでに3本と本数を増やしていた。 内壁を擦られるように巧みに蠢く指。 そして、ナオキさんの指は僕の一番弱い部分を攻め立てた。 「うう・・・はぁは・・・いやぁ・・・」 「だめだよ。僕のをこんなに大きくしたのは淳なんだから。ちゃんと慣らしておかないとキツイだろう?」 そういって激しく指の抜き差しを開始する。 気付けばきもちよさで何がなんだか分からなくて、咥えながら腰を振っていた。 僕のくちもとから自分のものを外すと充分に慣らされてぐちゃぐちゃになっている部分に押し当てる。 しばらくそこに押し付けたままナオキさんは動かなかった。 僕はたまらなくじれったくなって 「イヤぁ・・・はぁ・・あああ。早くっ!」 「早く、何?」 ナオキさんが僕の腰を持つ手に力をこめる。 僕はそれが欲しくて自分で腰を動かそうとするが、なかなか思いどうりにはさせてもらえなかった。 「ちょうだ・・・い」 「何を?」 「いやぁ・・・イジワル!」 「言ってごらん」 やっぱりいつもまにかナオキさんが主導権を握っていた。 「ナオキさんのが、欲しいのぉ!・・・あ・・・・・・・・・ん。お願い」 その僕の言葉に満足したのか次の瞬間ナオキさんは一気に僕を貫いた。 待ちわびていたものの侵入に僕の内壁が大きくうねる。 「キツ・・・。」 「は・・・む・・・うう・・・ん。あっ、あっ。」 奥まで差し込むと少し中を楽しむように静止した。 じわじわと、熱が広がっていく。 「ああっ・・・気持ちい・・・。・・う・・・はぁ・・・ん」 やがてナオキさんが僕の腰を掴んでゆっくりと動き始めた。 パシン!パシン!と肉のぶつかり合う音と供に繋がった部分からいやらしい音が漏れ始める。 腰の動きはとどまることを知らず、もう意識がとんでしまいそうだった。 長い長いつながりのあと、淫らに腰を振りつづける僕たちは、快感の出口へとむかってさらに昇りつめていた。 動きがどんどん早まる。 「なぁ・・はぁ、淳、イッてイイ?」 「・・・ふ・・・はぁ・・・はぁ・・・ああああ、イイよ、来て!僕ももう出ちゃう。」 そして僕たちは深くギリギリのところまで繋がった部分を大きく出し入れを開始した。 「あああ・・・だめ・・だめ!あっあっあっ・・・・ああ-----っ!」 その瞬間、体の中であたたかいものを感じながら、僕もシーツに向けて欲望を吐き出した。 頭が真っ白だった。 そして、その瞬間だけは僕の中でナオキさんという人間しかいなかった。 姉さんも・・・隆平さんさえも。 |
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